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2014年2月18日火曜日

ギャルセイ・リンポチェが修行者たちに

過去の出来事に想いをはせたり、これから起こるかもしれないことを、ぼんやり考えているうちに、いつしか心はそちらの方にさまよいでてしまう。そんな時には、ギャルセイ・リンポチェが修行者たちにあたえたこんな忠告を思いだして、心をひきしめるといい。



過去の行為は水に描いた絵のようなもの
生じた瞬間に消え去っていくものだから
いつまでも心奪われていてはいけない
何かが心にこびりついて離れぬ時は
富や災いが、集まってはことをなし、離散して消えていくさまを想え

真言行者たちよ、修行のほかになすべきことなどあるだろうか
未来に想いはせるのは干上がった谷川に魚を釣るようなもの
希望や欲望を未来に投げかけてはいけない
何かが心にこびりついて離れぬ時は
死の訪れが定かでないことを想え
真言行者たちよ、修行のほかに心奪われている暇があるだろうか

今の行為は夢の中でする家事のようなもの
意味のない労苦に時をすごしてはいけない
正法が求めるものだけを、無執着のままに摂取せよ
真言行者たちよ、すべての行為には実体がないのだから
修行のあとも、心のあらわれが法界の輝きに溶けつくすまでは
三毒をしずめるこの瞑想をたえずおこなえ
真言行者たちよ、くれぐれも誤った考えに足をさらわれるな

―ギャルセイ・リンポチェ
改稿 虹の階梯 チベット密教の瞑想修行
ロンチェン・ニンティクの集会樹

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